保護猫との出会い 〜小さな命が教えてくれたこと〜
会社の近くに、一匹の野良猫が住み着いていることに気づいたのは、春の訪れを感じ始めた頃でした。通勤途中や昼休みにふと目に入るその猫は、人慣れしているようで、どこか穏やかな表情をしていて…なんとなく気になる存在でした。
ある日、その猫が知り合いの家の庭にいるという話を聞きました。しかも、そこで子猫を産んで育てていると。
驚きとともに、どこかで納得もしていました。あの猫は、きっと安全な場所を探していたんだ、と。
知り合いの家を訪ねてみると、木陰のそばに置かれた毛布の上に、小さな命が5つ、丸くなっていました。母猫はそのそばで警戒しながらも、どこか誇らしげな顔をしていたのが印象的でした。
子猫たちはまだ生後1ヶ月ほど。
体は小さいのに、口元を見ればもう歯が生え始めているのが分かります。まだ歩き方もおぼつかなくて、ころんと転びながらも兄弟たちとじゃれあっている様子に、ただただ見とれてしまいました。
それぞれ模様が少しずつ違っていて、でも5匹とも元気いっぱい。母猫の愛情をたっぷり受けて、のびのびと育っているのが伝わってきます。
ただ、ひとつ問題がありました。
その知り合いは猫アレルギー。
「庭で面倒を見ることはできても、長くは無理かもしれない」と、申し訳なさそうに話してくれました。
「せっかく産まれたこの子たち、どうか幸せな家族に巡り会えますように。」
そう願って、その方は子猫たちの写真を撮り、SNSで保護猫として里親募集を始めました。
その投稿が、私の心を大きく動かしました。
—— この子たちの中のひとりを、家族に迎えたい。

それが、私と保護猫との出会いでした。
このような出会いを通じて、命の大切さや、何気ない日常の中にも奇跡のような出来事があることに、あらためて気づかされました。
小さな命と暮らすことは、きっとたくさんのことを教えてくれる。
これから、このブログで少しずつその成長を綴っていきたいと思います。


